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田村友一郎「G」

2017年3月11日 - 2017年4月22日
マダガスカルの石, 2015

 ユカ・ツルノ・ギャラリーでは、田村友一郎の個展「G」を2017年3月11日(土)から4月22日(土)まで開催いたします。

 田村友一郎は、写真や映像を出発点とし、インスタレーション、パフォーマンスなどの多彩な手法により、ある土地の記憶や歴史を掘り起こし、その断片をつなぎ合わせながら作品を制作しています。GoogleStreetViewのイメージのみで構成されたロードムービー『NIGHTLESS』(2010年〜)や、日本の戦後をボディビルディングを通して読み直した『裏切りの海 / Milky Bay』(2016年)などでは、それら断片は時空を超えた新たな物語へと変換されています。写真や映像が辿るメディアの歴史とともに、物語が具現化したような、「身体」や「経験」を含んだ作品は、事実に即した事柄と虚構が混在した世界観を帯びています。

 本展のタイトル「G」は、いくつかの異なる意味合いを含んでいます。そのうち核となるのは、地球上の物体が地面に対して引き寄せられる外力である引力(gravity)と、田村の土地に対する興味です(geo-)。リンゴの逸話で有名なニュートンは、地球上だけでなく宇宙のあらゆる場所でも引力が働いていることに気付き、全ての質量を持つ物体が相互に引き合っていることを示したとされています。

 また現在、田村は住居を熱海に移しており、観光地で賑わっていた過去を持ちつつも、溶岩流層や断層によって一際珍しい地形を持つ熱海は、土地から生まれる歴史やイメージに対する田村の興味をより一層惹きつけています。

 世界中のアップルストアに「Genius Bar」という相談カウンターがあるように、本展では、知恵(genius)の実であるリンゴを中心に「G」を巡る新たな空間が登場します。本展覧会と合わせて、田村のこれまでの作品をまとめた本も出版する予定です。

作家プロフィール
1977年富山県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科修了。2013年、文化庁新進芸術家海外派遣制度によりベルリン芸術大学空間実験研究所に在籍。2017年3月に東京藝術大学大学院映像研究科後期博士課程修了予定。近年のおもな展示に、「BODY/PLAY/POLITICS」(横浜美術館、2016)、「物語りのかたち」(せんだいメディアテーク、2015)、メディアシティ・ソウル2014(ソウル市美術館)、「これからの写真」(愛知県立美術館、2014)、「MOTアニュアル2012:風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館)、恵比寿映像祭(東京都写真美術館 2014、2011)、瀬戸内国際芸術祭2013など。

開催概要
田村友一郎「G」
会期:2017年3月11日 – 4月22日
開廊時間: 火 – 木、土 11:00 – 18:00、金 11:00 – 20:00
休廊日: 月、日、祝
オープニングレセプション: 3月11日(土)18:00-20:00
会場: ユカ・ツルノ・ギャラリー
東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F

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