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小島康敬「Unconscious | New York, Tokyo」

2019年9月7日 - 2019年10月5日
「Tokyo」2013

 ユカ・ツルノ・ギャラリーは、小島康敬の個展「Unconscious | New York, Tokyo」を2019年9月7日(土)から10月5日(土)まで開催いたします。小島は風景や表層に映し出される都市の構造や質感を独自の視点から撮影しており、本展ではこれまで発表してきた都市三部作のうち、ニューヨークと東京の作品を展示します。

 ニューヨーク、東京、ベルリンという三都市のシリーズは、いずれも小島が実際に居住して自身の足で歩くことで出会い、発見してきた都市景観を独自の視点で撮影したものです。ニューヨークと東京はとくに、当時拠点としていたニューヨークと家族の住む東京を行ったり来たりしながら、2008年から約7年間の時間をかけて撮影されたものです。人物はほとんど写されず、人工的でありながらも複雑に膨張した建築物や道路、標識、看板の集合体は、ニューヨークはモノクロ、東京はカラーで表現されており、都市ごとに注視する場所や都市という人工物に対するアプローチは異なります。

 小島にとって写真に表層としてしか映らない都市の特質とは、人間が生きる上では気にもとめないような人間の意識から外れた都市の無意識ともいえるようなものが映し出されていることだと言います。作品において、都市景観は人為的なものでありながら、人間の意図や欲望によってはすでにコントーロールしきれない場所であり、人間は都市から疎外されているような感覚をも持ち合わせる空間として立ち現れています。ニューヨークと東京という欲望が重なり合いながら変化し続ける大都市の表層を撮影することは、“人為と自然にある境界線に都市の未来”を見るという未来に向けた記憶を志向しつつも、写真として切り取られた移りゆく都市の姿は、記憶には残らない無意識の断片でもあります。

 なお同時開催として、Akio Nagasawa Gallery Aoyamaでの個展「Unconscious | Berlin」では、現在小島が拠点とするベルリンを撮影した作品を発表します。

作家プロフィール

1977年東京生まれ。国学院大学文学部卒業、2006年に渡米。International Center of Photography, General Studies Program卒業。在学中、ICP Director’s Scholarship Award受賞。文化庁・新進芸術家海外研修制度、2011年度研修員。2012年、Photo Espana “Descubrimiento photoespaña“ 選出アーティスト。2015年、ベルリンのクンストラーハウス・ベタニエン・レジデンシー・プログラムに参加。 近年の個展に『Berlin』(銀座ニコンサロン、2017年)、『Tokyo』(銀座ニコンサロン、2016年)に、『Tokyo | Berlin』(クンストラーハウス・ベタニエン、ベルリン、2016年)、グループ展に『東京・TOKYO 日本の新進作家展 vol.13』(東京都写真美術館、2016年)など。現在、ベルリン在住。

同時開催

個展「Unconscious | Berlin」
会場:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
会期:2019年9月5日 – 10月5日(*木金土のみ開廊)
http://www.akionagasawa.com/jp/exhibition/unconscious-berlin/

TOPコレクション イメージを読む「写真の時間」
会場:東京都写真美術館
会期:2019年8月10日 – 11月4日(月・振休)
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3439.html

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