EXHIBITIONS
Summer Project「Body Electric」Curated by Mika Maruyama
ユカ・ツルノ・ギャラリーでは、サマー・プロジェクト「Body Electric」を2017年8月19日(土)から8月26日(土)まで開催いたします。
「ぼくは体の詩人であり、そして魂の詩人である」と詠ったウォルト・ウィットマンの詩「I Sing the Body Electric」からタイトルを引用した本展示は、外部世界と結びつく身体をメタファーとして、別個には理解しえない心身の相互作用を捉えようとするものです。
自然や地理、文化、政治に大きな影響を受けながら再/構成されていく日常生活や感覚的な体験に根ざした作品を通して、主にアジア文化圏の身体性と向き合いながら、セクシュアティやジェンダーのありようから主体性、政治言説に至るまで多様な領域をさぐります。
作家プロフィール
マルサ・アティエンサ
オランダ人の母とフィリピン人の父のもとマニラに生まれ、オランダとフィリピン在住。オランダ美術デザインアカデミーとヘルシンキ美術アカデミーで学ぶ。両国の文化と生活を移動しながら、彼女自身の環境をモチーフに社会学的な視点を含んだ映像作品を制作している。近年の展示に、Mind Set Art Center(2017年、台北)での個展、『Shared Coordinates』(The Arts House、2017年、シンガポール)シンガポール・ビエンナーレ2016など。2017年にアートバーゼルStatements部門のBaloise Art Prizeを受賞、シンガポール・ビエンナーレのBenesse Prizeのファイナリストに選ばれるなど近年注目を浴びている。森美術館と新国立美術館で開催中の『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』の参加作家。
アイサ・ホクソン
フィリピン出身の振付家・ダンサー。バレエとビジュアル・アートを学んだのち、2010年にマニラでのポールダンスのコンペティションで優勝。都市の公共空間にある旗や標識のポールを用いてポールダンスを披露する作品を発表後、サービス産業における踊る身体の労働と表象の研究をしながら、アイデンティティー、ジェンダーの形成、誘惑の関係性、フィリピン人の社会的な流動性を明るみにだす作品を発表してきている。ソロ作品『Death of the Pole Dancer』(2011)、『Macho Dancer』(2013) 、『Host』(2015) は、Impulstanz(ウィーン)、Tanz im August(ベルリン)、Asia Triennial of Performing Arts(メルボルン)、Counterpulse festival & SF MOMA(フランシスコ)など、世界中の主要なダンスフェスティバルで発表されてきている。新シリーズ『HAPPYLAND』は今夏にヨーロッパを中心に世界各地で発表される。
ステファニ・ミサ
フィリピン・セブ島生れ、2012年ウィーン美術アカデミー芸術学科修了(パフォーマティブ・アート・彫刻)。現在、ウィーン在住。自他の移民経験をもとにしながら、多様な歴史が文化のなかでどうのように表現されてきたのかを、歴史的な真正性や異種混交性、体系化などの観点を吟味することで提示してきている。キュレーターとしても活動しており、近年の展覧会やプロジェクトに、『Aufgerissenen Auges:Transmanieristische Reaktionen』(Xhibit、ウィーン、2016年)、『Behind The Terrain: Sketches on Imaginative Landscape』(ジョグジャカルタ、2016年/ハノイ、2017年)『ナイト・スクール』(ウィーン・フェストヴォッフェ、ウィーン、2017年)、『Archipelago / Mountain』、(Fünzigzwanzig、ザルツブルク、2017年)など。KültürGemma奨学生(2014年/2015年)。
ジェイク・ベルソーサ
マニラを拠点とするフリーランス・フォトグラファー。2年間プログラマーとして働いた後、写真家としてのキャリアを始める。初期は広告や編集のコマーシャル写真家として経験を積み、東南アジアを広範囲に旅しながら、地元の生活や若者たち、社会問題や文化の移り変わりを個人的な作品として記録するようになる。3年かけて撮影された伝統的な刺青を持つ女性のポートレイト・シリーズである『The Last Tattooed Women of Kalinga』は世界中から注目を浴び、2017年秋にSteidlからセカンド・エディションが発売される。
エリザベス・ペンカー
ウィーン美術アカデミー芸術学科修了後(彫刻)、理論研究者としてヤン・ファン・エイク芸術アカデミーで学ぶ。クロード・レヴィ=ストロースのエッセイ上で考察された形式的な構造を利用したシリーズ『Split Representation』を発展させるとともに、様々な視覚的、言語的、音楽的な文法を分解し、文法的分類を新たな形式として再構成した作品を制作している。主な個展は、Onamatopee(アイントホーフェン)、セセッション館(ソロパフォーマンス、ウィーン)、応用芸術美術館(ウィーン)などで開催され、主なグループ展に『Flirting with Strangers』(Belvedere 21er Haus、ウィーン、2015年)、『The Uncanny』(Enia Gallery、アテネ、2016年)、 『Protections』(クンストハウス・グラーツ、2006年)など。
加賀の千代女
江戸時代の俳人。当時の加賀国松任町(現在石川県白山市)の表具師福増屋六兵衛の娘として生まれ、幼い頃から俳諧をたしなむ。17歳の頃に蕉門十哲である各務支考にその才能を認められ、その事から名を一気に全国に広めることになった。伝説的な逸話として付け加えられたものもあるが、73年の生涯で1,700余の句を残したといわれおり、それら含めて多くの人々に親しまれた。
開催概要
サマー・プロジェクト「Body Electric」
キュレーター 丸山美佳
会期:2017年8月19日 – 26日
開廊時間: 火 – 木、土 11:00 – 18:00、金 11:00 – 20:00
休廊日: 月、日、祝
会場: ユカ・ツルノ・ギャラリー
東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F