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山谷佑介「Doors」

2018年6月9日 - 2018年7月14日
SD_0415, 2018

 ユカ・ツルノ・ギャラリーは、山谷佑介の個展『Doors』を2018年6月9日(土)から 7月14日(土)まで開催いたします。本個展は、山谷初のセルフポートレートとして、今年の4月に「ギャラリー山谷」(於:京都)にて発表されたパフォーマンス作品『The doors』から展開されたものです。6月9日(土)のオープニングレセプションでは、山谷自身によるパフォーマンスが行われます。

 山谷はこれまでに『Tsugi no yoru e』や『ground』など、様々な角度から写真にアプローチした作品を発表し、現代社会と個人の狭間を写し取る作品で注目を浴びてきています。前作「Into the Light」では東京郊外の深夜の住宅街を赤外線カメラで撮影し、日常の不可視な側面へと歩みよることを試みました。同時に、暗闇にたたずむ住宅の前でフラッシュを放つ撮影は、精神的かつ肉体的に、“見る”ことと“見られる”こと、そして自らの“撮る”という行為を山谷に強く意識させることになりました。そのような体験から、『The doors』は自らを被写体とした最初のセルフポートレート作品になります。また、「ギャラリー山谷」とは、山谷本人が企画し、作品のコンセプトに合わせて神出鬼没に現れる展示空間であり、『The doors』のために京都の某ビルが「ギャラリー山谷」へと変容しました。会場では、暗闇のなか、自身が10代の頃から続けているドラムを使ったパフォーマンスが行われ、パフォーマンスの間に撮影・印刷された写真が空間を埋め尽くしました。パフォーマンスのために山谷は特殊なカメラ装置を考案しており、ドラムを叩くことによってドラムセットにつけられた振動センサーが反応してシャッターが切られ、写真が印刷されるようになっています。パフォーマンスでは、ドラムを激しく叩き続けることで自身をトランス状態へと誘発させ、カメラと観客を前にして意識と無意識が邂逅したセルフポートレートが撮影されることになりました。不規則に切られるシャッターと暗闇に放たれるフラッシュは、山谷のパフォーマンスを残像として観客にやきつけ、出力された写真はそれとは違う山谷のイメージを生み出すなど、パフォーマンスから写真の生産にいたるまでの一連の流れは人間の意識や物事をみる眼差しなどの複雑さを浮かび上がらせます。本展覧会では、新たなパフォーマンスとともに、『The doors』で撮影された映像や出力されたセルフポートレート、そして山谷のパフォーマンスの痕跡ともいえるドラムヘッドの傷から作られたフォトグラムが並びます。

作家プロフィール
1985年新潟県生まれ。立正大学文学部哲学科卒業後、外苑スタジオに勤務。その後、移住した長崎で出会った東松照明や無名の写真家との交流を通して写真を学ぶ。近年の展示に「Into the Light」(BOOKMARC、2017年)、「Lianzhou Foto 2016」(連州、中国)、「KYOTOGRAPHIE」(2015年、無名舎、京都)、「Yusuke Yamatani: Recent Works」 (2015年、アリソン・ブラッドリー・プロジェクツ、ニューヨーク)、「Four From Japan」(2015年、 コンデナスト、ニューヨーク)、「東京国際写真祭」(2015年) など。写真集・モノグラフに『Tsugi no yoru e(2nd ver.)』(ユカ・ツルノ・ギャラリー)、 『ground』(lemon books)、『RAMA LAMA DING DONG』(self published)、『Use Before』(a0)、『Into the Light』(T&M Projects)など。

開催概要

山谷佑介「Doors」
会期:2018年6月9日 – 7月14日
* パフォーマンス:6月9日(土)19:00 – & 7月7日(土)15:00 –
開廊時間: 火 – 木、土 11:00 – 18:00、金 11:00 – 20:00
休廊日: 月、日、祝
会場: ユカ・ツルノ・ギャラリー
東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F

協力:TG 電子工房
映像素材:石田悠介
パフォーマンスエンジニア:山森文生

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